2012年11月発行 ぷちトラ15号


11月3日「お旅所神幸」本日は神事なり。唐津くんちは、唐津神社の秋の例大祭なり。

唐津くんちはイベント感覚で見物する人も多いのですが、正式には「唐津神社の秋の例大祭」で、11月3日がその本番です。神輿とお供の14台の曳山が宵曳山と同じルートをたどりながら、唐津神社の御神体が上がったとされる西の浜のお旅所を目指します。神社出発は午前9時半。正午からお旅所への曳き込みが始まります。神事と昼休憩をはさんで、午後3時から曳き出しが始まり、残りのルートをたどって市役所前へ。そこから順次解散して、14台の曳山はそれぞれの町内へと帰っていきます。

私は刀町の人間ですから一番曳山「赤獅子」が誇りです。お旅所神幸の日に 露払いの御幣をつけるのも、参道で道囃子を奏でるのも一番曳山だけの特権。曳山はそれぞれに性格がありますが、「赤獅子」は常に「淡々と粛々と」。14台の曳山の先頭を行くからこその役割だと思っています(山下聡さん)

 

私は刀町の人間ですから一番曳山「赤獅子」が誇りです。お旅所神幸の日に 露払いの御幣をつけるのも、参道で道囃子を奏でるのも一番曳山だけの特権。曳山はそれぞれに性格がありますが、「赤獅子」は常に「淡々と粛々と」。14台の曳山の先頭を行くからこその役割だと思っています(山下聡さん)

 

御神幸の日、一番曳山の「赤獅子」が静かな道囃子と共に唐津神社前を出発。参道を通って城外である 大通りに出る手前で、威勢のよいせり囃子に変わるところが見どころです。曳江戸時代でいえば、ここから先は武士も町人もなしの無礼講。50~60年前は各曳山ここでぱ~っと一斉に正装の法被を脱ぎ捨てていました。実に粋でしたね(坂本博さん)

 


曳山巡行でまつりのスケールの大きさを最も感じさせるのが坊主町の交差点から西の浜のお旅所へ向かう大通り。浜側から眺めると 一列になって押し寄せてくる曳山と曳き子たちの大軍団がすごい迫力!もう圧巻です(ぷちトラ編集部)

お旅所神幸の日、曳山はそれぞれの町内へ戻りますが、そこからがまたいい! 中町ではわっかもん(若者)が 自分たちの曳山の周りでエンヤ!エンヤ!の掛け声とお囃子で、もうひと盛り上がり。曳山が町内に泊まれるのは年に一度その日だけですからね。ほかの町内も同じではないですか(牟田秀雄さん)
明神台が設けられた西の浜では14台の曳山を曳き入れて神事が行われます。ここでは砂地にのめり込む曳山との必死の格闘が昔から大きな見せ場だったことから、その聖地が小学校の校庭となった後も、くんち前には校庭を掘り起こして当時の砂浜を再現。「鳳凰丸」「七宝丸」など重量級の曳山の曳き込みは特に大きな見どころです。
※お旅所背後の旧校舎の裏側に回ってみると、そこは風光明媚な砂浜。昔はこの景色をバックに曳山が並んでいたそうです。